「雑収入」、正しく計上していますか?

 会社の通常の事業とは関連しない「営業外収益」のうち、少額なものや、たまたまの取引で得た収益は、実務上「雑収入」として計上します。
例えば、不動産等の賃貸収入、保険会社からの契約者配当金、使用しなくなった車両・機械装置等の売却代金、自動販売機による収入、鉄くず・建設廃材等の売却代金、消費税の納付差益・精算差益、代理店手数料――等が雑収入に該当します。
 雑収入は、通知があった時や債権が確定した日に収益計上すべき取引であり、税務調査でも期ずれを指摘されがちです。たとえ少額であっても漏らすことなく、正しく計上しましょう。
 雑収入の判断や取扱いについて迷われた際は、ぜひ当事務所までご確認ください。

会社の将来のために! 貸借対照表の「磨き上げ」を

 1年間の経営成績を表す損益計算書に対して、過去から現在に至るまでの経営努力の結果を示しているのが、貸借対照表です。財産や債務の内容、利益や損失の過去からの蓄積が表れている貸借対照表の「磨き上げ」をして、今から将来に備えておきましょう。
 経営者が最高経営責任者として経営を担った後は、「次世代に事業承継する」「M&Aにより会社を譲渡する」「廃業する」等を選択することになります。ところが、金融機関からの借入金が多額であったり、貸借対照表が実態を表していなかったりした場合には、いずれの選択肢を選んだとしてもスムーズに進まない可能性があります。そのため、今のうちから貸借対照表の「磨き上げ」が必要なのです。自社の貸借対照表を、①不良債権 ②不良在庫 ③貸付金・仮払金等 ④投資等 ⑤借入金 ⑥隠れ債務(連帯保証を含む)の有無 ⑦自己資本――の観点からチェックしてみましょう。

パート・アルバイト等の社会保険加入を考える

 「年収の壁(106万円)」などで話題に上ることが多い社会保険(厚生年金保険・健康保険)。政府はいま、「多くの人に手厚い社会保障を」との方針のもと、社会保険適用拡大の制度改正を進めています。令和6年10月から「従業員数51人以上」の会社が義務的適用となり(現行は「従業員数101人以上」の会社が義務的適用)、次の基準をすべて満たすパート・アルバイトの方が、社会保険の新たな加入対象者となります。
 ①週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
 ②所定内賃金が月額8.8万円以上
 ③2か月を超える雇用の見込みがある
 ④学生ではない(休学中、定時制・通信制の方を除く)
 なお、従業員数をカウントする際は、店舗や工場等の複数の拠点を持つ会社では、全拠点の従業員数を合算する必要があることに注意しましょう。
 新たに社会保険に加入した従業員の手取りが減らないよう、手当を支給するなど収入を増加させた場合は、「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」の活用が可能です(令和8年3月31日までの措置)。