今期の決算に向けての「総仕上げ」を(実践編3)
社長の「今期やりたいこと」を数字に落とし込んだものが、経営計画です。経営計画は毎月の実績と照らし合わせてこそ、その真価を発揮します。期末まであと2か月のところまできたら、着地点を見据えながら今期の「総仕上げ」をしましょう。
○まずは、上期の振り返りで検討した改善策の効果と今期の着地点を、数字を基に検証してみましょう。FXシリーズ「365日変動損益計算書」から、当期・前年同期・当期計画の数字を比較・確認できます。
○黒字で着地しそうな場合は、納税額とともに決算対策も確認しておきましょう。決算対策においては、今期・翌期の売上や利益、従業員のモチベーションのアップにつながるような「前向きな決算対策」(減価償却資産の購入、決算賞与の支給など)を意識することが重要です。過度な節税は利益を縮小させ、資金繰りが苦しくなるなど、かえって悪手になることがあるので注意しましょう。
その「資産」、本当に「お金になる」もの?
「投資その他の資産」の中身をチェックしてみよう!
貸借対照表(B/S)の「資産の部」に表示される固定資産のうち、長期的な保有を目的とした資産は「投資その他の資産」に区分されます。具体的には、投資有価証券、保険積立金、リゾート会員権・ゴルフ会員権などが該当します。
これらの資産は、すぐに現金化するのが難しい(=流動性が低い)という特徴があるため、いざというときに現金化できず、資金繰りが苦しくなってしまうおそれがあります。また、「含み損」が発生していたり、事業承継に影響を及ぼしたりすることもあります。
「投資その他の資産」に区分される資産は頻繁に取引されるものではないため、見落としがちなところでもあります。「凝り固まった」B/Sになっていないか、年1~2回は、自社の状況をチェックしましょう。
2026年1月1日施行「取適法(とりてきほう)」
中小企業も注意と対応が必要です
中小企業を含めたすべての事業者が、適切な価格転嫁等ができる取引環境の整備・定着等を目的として、「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」が改正。「中小受託取引適正化法:取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)」に名称が変わります。「取適法」は、2026年1月1日から施行されます。
取適法では、適用対象となる取引の範囲を、①取引の内容と、②資本金基準または従業員基準――から定めています。今回の改正でいずれも見直しがなされたことにより、今後、中小企業は業務を委託する側と受託する側、どちらの立場にもなる可能性がありますので、注意が必要です。違反行為があった場合の罰則規定(50万円以下の罰金等)も定められています。
今のうちから取適法の概要をつかむとともに、①取適法対象となる取引・取引先の確認②必要な書面等の準備③従業員への周知――などの対応をしておきましょう。